DT世界におけるセフィラが創星神tierraを倒すことができる確率
-------- AUTHOR: suishi BASENAME: ar1972954 TITLE: DT世界における、セフィラが創星神tierraを倒すことができる確率の計算 STATUS: Publish CONVERT BREAKS: 0 DATE: 12/11/2020 17:45:43 ----- BODY:
DT世界における、セフィラが創星神tierraを倒すことができる確率の計算
Date: 2020/12/11
Author: suishi
Twitter: @suishi_owataro
Abstract
Introduction: OCGには、DT世界を舞台にしたストーリーが存在し、その中にtierraとセフィラの対決がある。この対決の勝敗の確率をOCG基準で算出した検証は存在しない。tierraの効果によりお互いのデッキと手札の枚数が固定されることを利用し、その確率の計算を行った。
Method: 遊戯王ADSで対決をシミュレートした。お互いのドローのパターンを、勝利するもの・敗北するもの・どちらでもないもの、に分類し、それぞれの確率を計算した。
Result: tierraの召喚に26回中2回成功した。セフィラ側はtierraを倒すためには最低2枚のカードが必要であった。セフィラがtierraを倒すことができる確率は約25%であった。
Discussion: セフィラがtierraを倒すことができる確率は現実的な値であり、OCG基準に当てはめても妥当であった。グラマトンはタイマンでtierraを倒したのではなく、仲間と協力して倒した可能性が高い。
Introduction
遊戯王オフィシャルカードゲーム(以下OCG)のカードの一部には、背景ストーリーが存在するものがある。その中の代表的なものが、実際に稼働していた筐体であるデュエルターミナル(以下DT)を舞台にしたストーリーである。そしてこのストーリーの最後のクライマックスは、創星神tierra(以下tierra)と智天の神星龍(以下グラマトン)の対決である。その結末は両者の消滅、ひいてはセフィラの勝利として描かれている(*1)。しかし、OCG基準で実際にゲームを行った場合、どれぐらいの確率でセフィラが勝利できるのか、という確率を調べた検証は存在しない。今回は、tierraが召喚されることでお互いのデッキ枚数が固定され手札の枚数も0枚になることを利用し、ドローのパターンを調べることでその確率を計算した。
Method
デッキ構築
デッキに関しては、図1に示すルールで作成した。
(図1)デッキ作成のルール
tierra側のデッキは図2のように構築した。
(図2)tierra側のデッキレシピ
このデッキはクリフォート・ツール(以下ツール)やチキンレースでライフを削りながら手札を増やし、最終的に活路への希望(以下活路)で大量にドローすることができる。tierraの召喚条件である手札と場にカードを10種類用意するという条件を達成しやすくした。クリフォートのペンデュラム(以下P)効果は共通でクリフォート以外は特殊召喚できないという効果を持っており、tierraの特殊召喚に引っかかる。それを解決するために、ペンデュラム・スイッチでスケールのクリフォートを場に出せるようにし、他にもエイリアスやゲノムの効果でどかせるようにした。
セフィラ側のデッキは図3のように構築した。
(図3)セフィラ側のデッキレシピ
tierra召喚後を見据え、tierraの処理につながるようなカードを多く採用した。セフィラの神意というカードは、時系列がtierra消滅後のカードであるので、採用していない。
シミュレート
シミュレートは遊戯王auto duel system(以下ADS)のhollow版:バージョン1.035.2を用いて行った。tierraが召喚された試合のみをカウントし、先にどちらかが2勝するまで続けた。
確率計算
確率の計算は、お互いのドローを「tierra側の勝利が決定するドロー、セフィラ側の勝利が決定するドロー、勝敗が決しないドロー」に場合分けし(図4)、それぞれの確率を計算した。
(図4)確率計算の模式図
そしてそのドローの確率を用い、ターンごとにtierra側とセフィラ側がそれぞれ勝利する確率を計算した。
tierra側の勝利はセフィラ側のライフを0にすること、セフィラ側の勝利はtierraをフィールドからどかすこと、と定義した。
ターンの定義は、tierraの召喚に成功したターンを0ターンとし、続くセフィラのターンをターン1、それに続くtierraのターンをターン2(以下略)のように設定した。
残りライフについてはADSの試合において、tierra召喚成功時点でどれだけのライフが残っていたかということを参考にした。
サーチカード、チキンレースを発動するか温存するかどうかは、期待値を計算し、勝利する期待値が大きくなる行動を優先した。
これらの演算には、Excel2016を用いた。
Result
シミュレート結果
シミュレートの結果、試行回数6回目と22回目でtierra召喚に成功し、ともにtierra側の勝利であった(sm37946776参照)。
tierra召喚成功時点での残りライフ(tierra側, セフィラ側)は、tierra召喚成功1回目が(2000, 8000)であり、2回目が(800, 7000)であった。したがって、tierra側は50%の確率でツールとチキンレースを1回発動できるライフが残る、とした。セフィラ側のライフはともにtierraの攻撃2回(6800)と妥協召喚したクリフォート1回(1800)で削り切れるライフであった。したがって、ゲームの展開でセフィラ側のライフがtierra側の必要攻撃回数に影響を与えることはない、とした。
セフィラ側の勝利条件
セフィラ側がtierraを処理できるカードの組み合わせ(以下セフィラ勝利条件)は、「①グラマトン+スケール1 ②グラマトン+スケール7 ③セフィラの星戦(以下星戦)+セフィラモンスター(以下セフィラ) ④セフィラツバーン(以下ツバーン)+セフィラ、⑤セフィラの神託(以下神託)+クラウソラスの影霊衣(以下クラウソラス)」の5通りであった。
参考程度に、それぞれの展開方法を以下に記す。
①グラマトン+スケール1の場合
グラマトンと下スケールをセッティング
グラマトンでシウゴをエクストラへ送りシウゴP召喚
シウゴ効果で星戦サーチ
星戦でスケールとtierraを破壊
②グラマトン+スケール7の場合
グラマトンと上スケールをセッティング
グラマトンでツバーンをエクストラに送りツバーンP召喚
ツバーン効果でスケールとtierraを破壊
③星戦+セフィラの場合
セフィラ召喚、星戦伏せてターンエンド
返しのターンに星戦で場のセフィラとtierraを破壊
④ツバーン+セフィラの場合
セフィラをスケールにセッティング
ツバーン召喚して効果でスケールとtierraを破壊
⑤神託+クラウソラスの場合
神託発動でウェンディサーチ
クラウソラス効果で反魂術サーチ
ウェンディ素材に反魂術でクラウソラス召喚
セフィラを素材に儀式召喚したので神託効果でtierraデッキバウンス
サーチカードのプレイの決定
サーチカード使用の有無を決める期待値については、1ターン目のドローでサーチカードを引き、それを使用した場合としなかった場合で、2ターン目にセフィラ勝利条件が揃うかどうかで計算した。
以下に各サーチカードの計算を示す。
①神託(グラマトンをサーチ可)
温存した場合:次に引いていけないカードは神託、テラ・フォーミング(以下テラフ
ォ)、精霊獣カンナホーク(以下カンナホーク)、影霊衣の反魂術(以下
反魂術)、メタバース、竜星の九支(以下九支)の7枚。
残りデッキは39枚。外れを引く確率は7/39。
使用した場合:次に引いていけないカードはカンナホーク、反魂術、メタバース、九支の
4枚。残りデッキは38枚。外れを引く確率は4/38。
よってサーチした方が良い。
②テラフォ(神託をサーチ可)
神託と同じ理由でサーチした方が良い。
③ブリューナクの影霊衣(以下ブリューナク)(セイバーとエグザをサーチ可)
温存した場合:次に引いていけないカードはグラマトン、ツバーン以外のセフィラ21枚、
カンナホーク、クラウソラス、反魂術、メタバース、九支の26枚。
残りデッキは39枚。外れを引く確率は26/39。
使用した場合:次に引いていけないカードは上記と同じ。
残りデッキは38枚。外れを引く確率は26/38。
よって温存した方がよい。
④増援(ツバーンをサーチ可)
温存した場合:次に引いていけないカードはカンナホーク、クラウソラス、反魂術、
メタバース、九支の5枚。残りデッキは39枚。外れを引く確率は5/39。
使用した場合:次に引いていけないカードは上記と同じ。
残りデッキは38枚。外れを引く確率は5/38。
よって温存した方が良い。
⑤クラウソラス(反魂術をサーチ可)
温存した場合:次に引いていけないカードは神託とテラフォ以外の35枚。
残りデッキは39枚。外れを引く確率は35/39。
使用した場合:次に引いていけないカードは神託とテラフォ以外の34枚、
残りデッキは38枚。外れを引く確率は34/38。
よってサーチした方が良い。
チキンレースのプレイの決定
チキンレースの期待値は、妥協召喚可能なクリフォート、ツール、召喚師のスキル(以下スキル)が合計24枚とデッキの半数以上を占めており、引く期待値の方が引けない期待値を上回った。
よって、ドローした方が良い。
Turn1
1ターン目のセフィラ側のドローは、2枚初動であることを考慮し、3ターン目にまとめて検証を行った。
Turn2
2ターン目のtierra側は、クリフォートを妥協召喚すれば勝利が確定した(0ターン目でtierraのダイレクトアタックが入っており、セフィラ側のライフは最高でも4600であるから)。
したがって、tierra側がクリフォートを妥協召喚できる場合分けを以下のように行った。
・ライフコストを考慮しなくていい場合
1.妥協召喚可能なクリフォートを引く
・ライフコストを考慮する必要がある場合
2.ツールまたはスキルを引く
3.チキンレースで妥協召喚可能なクリフォート、ツール、スキルのいずれかを引く
それぞれのパターンの確率を以下のように計算した。いずれの場合も、場にtierraが1枚のみ存在し、残りデッキ枚数は39枚であった。
1.妥協召喚可能なクリフォート引く
tierra側のデッキには、妥協召喚可能なクリフォートが18枚存在。
その確率は18/39
2.ツールまたはスキルを引く
ツールが3枚、スキルが3枚存在。
その確率はライフコストが残っている確率を考慮し、6/39×1/2
3.チキンレースで妥協召喚可能なクリフォート、ツール、スキルのいずれかを引く
チキンレース2枚、妥協召喚可能なクリフォート18枚、ツールとスキルが合計6枚存在。
その確率はライフコストが残っている確率を考慮し、2/39×24/38×1/2
1~3の確率を全て足し、「tierra側が2ターン目に勝利する確率」を求めた。
計算結果は、約55.5%であった。
また、「2ターン目で勝敗が決定しない確率」は、1-0.555=0.455で約45.5%であった。
Turn3
3ターン目時点のセフィラ側の手札は、「セフィラ側勝利条件、tierra側勝利条件、このターンで勝敗が決定しない」の3つに分類することができる。
まずはセフィラ側勝利条件について、引く順番なども考慮して以下のように細かく分類した。
・確率が引く順番に影響を受けないもの
1.グラマトン+セフィラ
2.セフィラ+星戦
3.ツバーン+セフィラ
4.ツバーン×2
5.グラマトン×2
・引く順番で確率が変化するもの
6.メタバース→セフィラ
7.神託→神託
9.神託→セフィラorセフィラ→神託
10. テラフォ→セフィラorセフィラ→テラフォ
11.クラウソラス→神託
これらのパターンの確率を以下のように計算した。引く順番で確率が変化するメタバース、テラフォーミング、神託、クラウソラスに関しては、1~5のパターンには入れず、別個で計算した。
1.グラマトン+セフィラ
グラマトンが3枚、セフィラが26枚(うち増援とブリューナクが1枚ずつ
3×26×2/40×39
2.セフィラ+星戦
星戦2枚、セフィラ29枚(セフィラモンスターが27枚、増援とブリューナクが1枚ずつ)
2×29×2/40×39
3.ツバーン+セフィラ
ツバーン4枚(うち増援1枚)、セフィラ22枚(グラマトン、ツバーン、増援を除く)
4×22×2/40×39
4.ツバーン×2
ツバーンが4枚(うち増援が1枚)
4×3/40×39
5.グラマトン×2
グラマトンが3枚
3×2/40×39
メタバースが1枚、セフィラが31枚(以下セフィラが31枚表記の場合、グラマトンツバーン星戦増援ブリューナク込み、神託、テラフォを除いた枚数である)、クラウソラスが1枚
1×32/40×38
(※ このパターンは、メタバースを2ターン目に引くとそのまま発動できないのでそのパターンを除外した。さらに2ターン目に神託を引くと神託の発動ターン1に引っかかるので、そのパターンも除外した。)
7.神託→神託
神託が3枚
3×2/40×38(2ターン目には神託でサーチしたグラマトンがない)
神託が3枚、テラフォーミングが1枚
初手神託の場合:3×1/40×38(2ターン目には神託でサーチしたグラマトンがない)
初手テラフォの場合:1×2/40×37(2ターン目には神託、グラマトン、テラフォがない)
9.神託→セフィラorセフィラ→神託
神託が3枚、セフィラが31枚
初手神託の場合:3×30/40×38(2ターン目には神託、グラマトンがない)
2ターン目神託の場合:31×3/40×39
10. テラフォ→セフィラorセフィラ→テラフォ
テラフォが1枚、セフィラが31枚
初手テラフォの場合:1×30/40×37(2ターン目には神託、グラマトン、テラフォがない)
2ターン目テラフォの場合:31×1/40×39
11.クラウソラス→神託
クラウソラスが1枚、神託が3枚
1×3/40×38(2ターン目には反魂術がない)
(※)これと次のパターンは、初手神託→2ターン目クラウソラスの可能性を除いた。なぜなら初手の神託でサーチするのは期待値の関係上グラマトンであり、反魂術の生け贄を神託で確保することはないからである。
12.クラウソラス→テラフォ
クラウソラスが1枚、テラフォが1枚
1×1/40×38(2ターン目には反魂術がない)
そしてこれら1~12の確率を全て足し、「セフィラ側が2回目のドローフェイズでドローした段階で、セフィラ側勝利条件が整う確率」を求めた。
実際に計算し、約48.9%となった。
tierra側勝利条件は、言い換えるとセフィラ側が壁モンスターをセットできない条件であり、以下のように分類された。
1.1,3ターン目のいずれかのドローが反魂術または九支である。
2.手札2枚の内訳がシウゴ、エグザ、クラウソラスしかない。
3.手札2枚の内訳が星戦かクラウソラスしかない。
4.1ターン目に上級セフィラかクラウソラス、2ターン目にメタバースを引いた場合。
それぞれのパターンの確率を、以下のように計算した。
1.1,3ターン目のいずれかのドローが反魂術または九支である。
反魂術が1枚、九支が1枚
クラウソラスが関与しない場合:(2×38×2-1)/40×39
初手にクラウソラスを引く場合:1×2/40×38
2ターン目にクラウソラスを引く場合:2×1/40×39
2.手札2枚の内訳がシウゴ、エグザ、クラウソラスしかない
シウゴが3枚、エグザが1枚、クラウソラスが1枚
クラウソラスが関与しない場合:4×3/40×39
初手にクラウソラスを引く場合:1×4/40×38
2ターン目にクラウソラスを引く場合:4×1/40×39
3.手札2枚の内訳が星戦かクラウソラスしかない
星戦が2枚、クラウソラスが1枚
星戦2枚の場合:1×1/40×39
初手にクラウソラスを引く場合:1×2/40×38
2ターン目にクラウソラスを引く場合:2×1/40×39
4.1ターン目に上級セフィラかクラウソラス、2ターン目にメタバースを引いた場合
1ターン目に上級セフィラを引く場合:7×1/40×39
1ターン目にクラウソラスを引く場合:1×1/40×38
そしてこれらの確率を全て足し、「3ターン目までに引いた手札でセフィラ側が壁を立てられない確率」を求めた。
実際に出た値は、約12.1%であった。
ここまでで、3ターン目におけるセフィラ側勝利条件とtierra側勝利条件の確率を求めた。そしてこの2つの確率を1から引くことで、「3ターン目の手札で勝敗が決定しない確率」を求めた。
実際に出た値は、約39.1%であった。
Turn4
4ターン目でtierra側が勝利する条件は、2ターン目と変わらずクリフォートを妥協召喚することである。tierraの他にアタッカーを追加すれば、tierraで壁モンスターを戦闘破壊し、妥協召喚したクリフォートでダイレクトアタックしてライフを削り切れるからである。
2ターン目で外れを引いてセフィラ側にターンを返さないと4ターン目は回ってこないということは、デッキの当たりの枚数は変わらないということである。したがってターン数をxとして「xターン目にtierra側がクリフォートを妥協召喚して勝利する確率」を一般化することができる。
その式は以下のようになった。
18/(40-x/2)+6/(40-x/2)/2+2/(40-x/2)×24/(40-x/2-1)/2
=18/(40-x/2)+3/(40-x/2)+24/(40-x/2)(39-x/2)
={21+24/(39-x/2)}/(40-x/2)
今回は4ターン目であるので、xに4を代入し、その値は約57%となった。
逆に5ターン目に入る確率は、1-57%で約43%となった。
Turn5
5ターン目に入るとき、壁モンスターを引けていることが前提となるため、セフィラ側の引いた2枚のカードは以下のように分類することができる。
1.カンナホークを引いている
2.ツバーンを除く下級セフィラ+ツバーンとグラマトンを除くセフィラ
3.1ターン目に下級セフィラ、3ターン目にメタバース
4.1ターン目にメタバース、3ターン目に神託かテラフォ
5.下級セフィラ+クラウソラス
これらをさらに細かく分類し、それぞれの場合(かっこ内はそれぞれの場合の引き方の総数)の残りデッキ枚数、セフィラ勝利条件となる当たりの枚数、セフィラ敗北条件となる外れの総数を調べた。
1.カンナホークを引いている
・もう1枚がグラマトン、ツバーン以外のセフィラ、ブリューナクの場合(22枚×2)
→残りデッキ38
→当たりはグラマトン、ツバーン、増援で7枚、星戦2枚、神託4枚で計33
・もう1枚がグラマトン、ツバーン、増援のいずれかの場合(8枚×2)
→残りデッキ38、当たりはセフィラ(サーチ込み)29-1枚、星戦2枚、神託4枚で計34
・もう1枚が星戦の場合(2枚×2)
→残りデッキ38、当たりはセフィラ(サーチ込み)29枚、神託4枚で計33
・もう1枚が神託の場合(3枚×2)
→残りデッキ37、当たりはセフィラ(サーチ込み)29-1枚、星戦2枚、神託3枚、
クラウソラス1枚で計34
・もう1枚がテラフォの場合(1枚×2)
→残りデッキ36、当たりはセフィラ(サーチ込み)29-1枚、星戦2枚、神託2枚で計32
・もう1枚がメタバースの場合(1枚×2)
→残りデッキ37、当たりはセフィラ29枚(サーチ込み)、星戦2枚で計31
・もう1枚がクラウソラスの場合(1枚×2)
→残りデッキ37、当たりは神託4枚で計4
2.ツバーンを除く下級セフィラ+ツバーンとグラマトンを除くセフィラ
・ツバーンを除く下級セフィラが17枚、ツバーンとグラマトンを除くセフィラが21-1枚
(17×20×2)
→残りデッキ38、当たりはグラマトン3、ツバーン4、星戦2、神託4で計13
3.ブリューナク+ツバーンとグラマトンを除くセフィラ
・ブリューナクが1枚、ツバーンを除く下級セフィラが17枚(1×17×2)
→残りデッキ38、当たりはグラマトン3、ツバーン4、星戦2、神託4で計13
・ブリューナクが1枚、グラマトンを除く上級セフィラが4枚(1×4×2)
→残りデッキ37、当たりはグラマトン3、ツバーン4、星戦2、神託4で計13
4.1ターン目に下級セフィラ、3ターン目にメタバース
・下級セフィラが24枚、メタバースが1枚(24×1)
→残りデッキ37、当たりはセフィラ29枚(サーチ込み)、星戦2枚で計31
・増援とブリューナク(2枚)、メタバース(1枚)(計2×1)
→残りデッキ36、当たりはセフィラ29-1枚(サーチ込み)、星戦2枚で計30
5.1ターン目にメタバース、3ターン目に神託かテラフォ
・3ターン目神託の場合(1×2枚)
→残りデッキ37、当たりはセフィラ29-1枚(サーチ込み)、星戦2枚で計30
・3ターン目テラフォの場合(1×1枚)
→残りデッキ36、当たりはセフィラ29-1枚(サーチ込み)、星戦2枚で計30
6.下級セフィラ+クラウソラス
・下級セフィラが24枚、クラウソラスが1枚(24×1×2)
→残りデッキ37、当たりは神託4枚で計4
・増援とブリューナク(2枚)、クラウソラス(1枚)(2×1×2)
→残りデッキ36、当たりは神託4枚で計4
実際に計算すると、「セフィラ側が5ターン目に入る場合の手札の引き方」は879通りあった。
「それぞれの場合の引き方の数/879×当たり枚数/残りデッキ枚数」を計算し、その確率を全て足すことで、「5ターン目のドローでセフィラ側の勝利が決定する確率」を求めた。
実際に出た値は、約38.9%であった。
「5ターン目のドローでセフィラ側の敗北が決定する確率」を計算するため、同様に場合分けを行った。
1.カンナホークを引いている
・もう1枚がグラマトン以外の上級セフィラの場合(4枚×2)
→残りデッキ38、外れはグラマトン以外の上級セフィラ、メタバース、クラウソラス、
反魂術、九支で計7
・もう1枚がツバーン以外の下級セフィラの場合(17枚×2)
→残りデッキ38、外れはメタバース、クラウソラス、反魂術、九支で計4
・もう1枚がブリューナクの場合(1枚×2)
→残りデッキ37、外れはメタバース、クラウソラス、反魂術、九支で計4
・もう1枚がグラマトン、ツバーン、増援のいずれかの場合(8枚×2)
→残りデッキ38、外れはメタバース、クラウソラス、反魂術、九支で計4
・もう1枚が星戦の場合(2枚×2)
→残りデッキ38、外れは星戦、メタバース、クラウソラス、反魂術、九支で計5
・もう1枚が神託の場合(3枚×2)
→残りデッキ37、外れはメタバース、反魂術、九支で計3
・もう1枚がテラフォの場合(1枚×2)
→残りデッキ36、外れはメタバース、反魂術、九支で計3
・もう1枚がメタバースの場合(1枚×2)
→残りデッキ37、外れは反魂術、九支で計2
・もう1枚がクラウソラスの場合(1枚×2)
→残りデッキ37、外れは上級セフィラ7枚、メタバース、星戦2枚、九支で計11
2.ツバーンを除く下級セフィラ(17枚)+ツバーンとグラマトンを除くセフィラ(21枚)
・ツバーンを除く下級セフィラ以外がグラマトン以外の上級セフィラの場合(17×4×2)
→残りデッキ38、外れはグラマトン以外の上級セフィラ、メタバース、クラウソラス、
反魂術、九支で計7
・ツバーンを除く下級セフィラ以外がツバーンを除く下級セフィラの場合(17×16×2)
→残りデッキ38、外れはメタバース、クラウソラス、反魂術、九支で計4
3.ブリューナク+ツバーンとグラマトンを除くセフィラ
・ツバーンを除く下級セフィラ以外が上級の場合(1×4×2)
→残りデッキ37、外れはグラマトン以外の上級セフィラ、メタバース、クラウソラス、
反魂術、九支で計7
・ツバーンとグラマトンを除くセフィラが下級の場合(1×17×2)
→残りデッキ38、外れはメタバース、クラウソラス、反魂術、九支で計4
4.1ターン目に下級セフィラ、3ターン目にメタバース
・下級セフィラが24枚、メタバースが1枚(24×1)
→残りデッキ37、外れは反魂術、九支で計2
・増援とブリューナク(2枚)、メタバース(1枚)(計2×1)
→残りデッキ36、外れは反魂術、九支で計2
5.1ターン目にメタバース、3ターン目に神託かテラフォ
・3ターン目神託の場合(1×2枚)
→残りデッキ37、外れは反魂術、九支で計2
・3ターン目テラフォの場合(1×1枚)
→残りデッキ36、外れは反魂術、九支で計2
6.下級セフィラ+クラウソラス
・下級セフィラが24枚、クラウソラスが1枚(24×1×2)
→残りデッキ37、外れは上級セフィラ7枚、星戦2枚、メタバース、九支で計10
・増援とブリューナク(2枚)、クラウソラス(1枚)(2×1×2)
→残りデッキ36、外れは上級セフィラ7枚、星戦2枚、メタバース、九支で計10
そして同様に計算し、「5ターン目のドローでセフィラ側の負けが決定する確率」は約12.7%であった。
「5ターン目で勝敗が決まらない確率」は、1から「5ターン目でセフィラ側の勝利が決定する確率」と「5ターン目でセフィラ側の敗北が決定する確率」を引いて求めた。
実際には約48.3%であった。
Turn6
4ターン目と同様に以下の式にx=6を代入し、「6ターン目のドローでtierra側の勝利が決定する確率」を求めた。
{21+24/(39-x/2)}/(40-x/2)
実際に約58.6%の値を得た。
逆に5ターン目に入る確率は、1-58.6%で約41.4%となった。
Turn7
各ターンの「そのターンで勝敗が決定しないドローの確率」を全て乗算すると、約1.5%という値が出た。
この値は、「7ターン目以降で勝敗が決定する確率」であり、その確率が1.5%ということは、結果に与える影響は非常に小さい。
よって7ターン目のドローの検証は行わず、6ターン目までのドローで勝敗が決定する確率を用いることとした。
セフィラ側が勝利する確率
ここまでで求めた確率を表1にまとめた。
ターン数 |
セフィラ側の勝利が決定するドローの確率 |
tierra側の勝利が決定するドローの確率 |
勝敗が決定しないドローの確率 |
1 |
|
|
100% |
2 |
|
55.5% |
44.5% |
3 |
48.9% |
12.0% |
39.1% |
4 |
|
57.0% |
43.0% |
5 |
38.9% |
12.7% |
48.3% |
6 |
|
58.6% |
41.4% |
(表1)各ターンのドローが勝敗に与える確率
表1の各ターン数における確率は「そのターンのドローがどのように勝敗に影響するかの確率」であり、「そのターンで勝敗が決定する、または決定しない確率」ではない。
各ターンで「勝敗が決定する、または決定しない確率」は、「そのひとつ前のターンで勝敗が決定しない確率」を乗算することで求めることができる。
その計算結果を表2にまとめた。
ターン数 |
セフィラ側が勝利する確率 |
tierra側が勝利する確率 |
勝敗が決定しない確率 |
1 |
|
|
100% |
2 |
|
55.5% |
44.5% |
3 |
21.8% |
5.4% |
17.3% |
4 |
|
9.9% |
7.5% |
5 |
2.9% |
1.0% |
3.6% |
6 |
|
2.1% |
1.5% |
(表2)各ターンで勝敗が決定する、または決定しない確率
6ターン目で勝敗が決定しない確率は誤差として計上し、セフィラ側が勝利する確率は以下のように計算した。
最高値:21.8+2.9+1.5=26.1%
最低値:21.8+2.9=24.6%
以上より、セフィラ側がtierra側に勝利する確率は24.6%~26.1%、となった。
Discussion
今回のシミュレートでは、tierraの召喚が可能であることを証明できた。DT世界にまつわるカード、さらにその中でもtierraを構成するカードだけで召喚を成功させた例は極めて少なく、貴重な結果を得ることができた。
加えて、セフィラがtierraを倒すことができた確率は約25%である、という結果を得ることができた。この約4回に1回という数字を見ると、tierraを倒すことは現実的に可能であると考えられる。したがって星戦の背景ストーリーは、OCG基準に当てはめても妥当であると言えるだろう。
また、セフィラの勝利条件を分析したところ、興味深い結果が得られた。それは、tierraを倒すためには最低2枚のカードが必要になるということである。OCGではグラマトンの攻撃力がtierraを50上回っていることから、一見するとグラマトンがtierraをタイマンで倒したと考えがちだが、そこに一石を投じる結果となった。実際にシミュレートした結果、tierraの召喚後にグラマトンを召喚する余裕がないのである。もちろん、星戦でグラマトンとtierraを破壊した場合は、グラマトンとtierraが相討ちになったと考えられ、まさしく背景ストーリーそのものの展開と考えることができる(*1)。しかし、勝利条件を場合分けした際には、他のセフィラモンスターが絡むパターンも多く見受けられた。この事実が示唆することは、「グラマトンはタイマンで戦ったのではなく、仲間のセフィラと協力してtierraに挑んだ可能性がある」ということである。実際にグラマトン自身も単体で活躍するのではなく、エクストラデッキにセフィラを送ることで勝利条件を達成するパターンがほとんどであり、勝利への潤滑油としての役割を果たしていた。そしてこの仮説を裏付けるカードが煉獄の災天(以下災天)である。災天のイラストには、グラマトンが多くの仲間とともにtierraに立ち向かっている様子が描かれていると考えられる。この災天というカードの存在、そしてグラマトンと星戦をともにドローする確率はかなり低いことからも、グラマトンはタイマンではなく仲間とともに勝利をつかんだ確率の方が高いと言えるだろう。
今回の検証は、OCGの背景ストーリーを、実際にゲームをシミュレートしてそこから得られる確率で検証するという、おそらく世界初の試みだと考えられる。そして実際に、上記のように多くの考察を得ることができた。今回はtierraというカードの特殊性が検証を可能にしたところは大きいが、他の背景ストーリーでも同様にシミュレートすれば新しく見えてくることは多いと思われる。この手法を参考にし、新たな考察を落とす者が現れることに期待する。
今回の検証にはいくつかの穴がある。まずはシミュレート回数の少なさである。tierraの召喚は2回しか成功しておらず、それをもとに残りライフを仮定したため、その部分で誤差がでてくるはずである。また、セフィラ側の残りデッキ枚数は40枚と仮定しているが実際にはリクリフォートで除外される場合がある。さらにtierra側がチキンレースを失敗しセフィラ側がチキンレースでドローできる場合も無視している。確率は全てのパターンを場合分けすることで計算したが、その場合分けにミスがある可能性も十分にある。もっとシミュレートの試行回数を増やし、確率の計算はより定式化を行うことで、さらに誤差の少ない検証が出てくることに期待する。
Conflicts of interests
この検証に利益相反は存在しません。
References
*1: 遊☆戯☆王デュエルモンスターズ オフィシャルカードゲーム マスターガイド5(集英社, 2017, 4, 30)
----- EXCERPT: DT世界における、セフィラが創星神tierraを倒すことができる確率の計算Dat ----- --------